母の喜ぶ顔

塗装業者を決めるのに、あんなに迷うとは思っていませんでした。というのも、今回の工事は実家の外壁塗装。私は今は東京で一人暮らしをしていますが、両親が住む築30年の一戸建てが、もう限界だと泣きついてきたのです。

一見すると古いながらも味のある木造住宅。ただ、母が言うには、外壁の一部から雨がしみてきたとか。確認しに帰省してみると、確かに外壁の一部は細かくひび割れており、触るとぽろぽろと粉が落ちる状態でした。これは…と私も焦りました。

意外だったのは、塗装会社ごとに使う塗料のグレードや仕上げの工程がかなり違うこと。見積書にしても、細かく「高圧洗浄」「下塗り」「中塗り」「上塗り」まで記載されているところもあれば、ざっくり「外壁一式」だけの業者もあるんですね。

結局、両親の住まいと同じ市内に拠点があり、地域密着で長くやっている会社を選びました。担当の方は私の細かい質問にも丁寧に答えてくれ「お父様のおうちは木造軸組なので、通気層が活きるように施工します」といった専門的な話も分かりやすく説明してくださいました。

作業が始まると、両親は最初こそ落ち着かなかったようですが、毎日進捗を丁寧に報告してくれる職人さんたちに次第に信頼を寄せるようになりました。特に母は、お茶を出したらそのたびにきちんとお礼を言ってくれることに感激していたようで、「今まで頼んだ業者さんで一番感じが良かった」とまで言っていました。

外壁の色は、私の提案でほんのりクリームがかった白を選択。もとのくすんだグレーから一転、家がぐっと明るくなった印象です。母が「新築に戻ったみたい」と喜ぶ姿を見て、私も胸が熱くなりました。

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