旦那が天井を見ているのは、両隣の家が雨漏りしたから。
旦那、「うちは大丈夫そうだな」
大丈夫なわけない。なぜなら、うちの家と両隣は、同じ建築会社が同時期に建てたから。
子供、「このうちって、いつ建ったの?」
私、「貴方(子供)が生まれる5年前)
※現在、子供は27歳。
建売住宅を買った時はバブル景気だったため、今思えば割高だった。
子供、「保障はどうなってるの?」
旦那と私、「・・・」
夫婦で黙ってしまったのは、家を買った直後にバブル景気が終わり、販売元である建築会社が潰れたため、家の保障はない。
子供が中学に上がった時に家の塗り替えをし、それから12年が経った。
旦那、「両隣の家も、1回目の塗り替えで屋根塗装をしたよな?」
私、「他人の家のことまで覚えてないわよ」
うちの屋根は、1回目の塗り替えの際に、塗ってもらった記憶がある。
子供、「私、覚えてる。うちの屋根は灰色、両隣の家は緑色で塗った」
私、「良く覚えてるわね」
子供、「だって、私、鳥が嫌いだから」
それを聞いて思い出した。
緑色の屋根だと、森と勘違いして子供の嫌いな鳥が飛んで来る。
子供、「両隣の家は、しょっちゅう鳥が飛んで来るから雨漏りするのよ」
私、「鳥は雨漏りと関係ないでしょ」
旦那、「あるかもしれないよ。だって、車のガラスに鳥のフンが付くと中々取れないから」
庭で野菜を育てている私は、調理で出た生ゴミを土に入れて肥料にするのだが、夏場だと数日で土が生ゴミを分解する。
昔は人糞が肥料として使われており、もしかしたら、鳥の糞が屋根を分解し雨漏りの原因になるのかもしれない。
そう思いながら天井を見ていると、隣の家の屋根に鳥が止まった音がした。
それを聞いて、旦那が家の塗り替えに賛成してくれた。うちの屋根は、1回目と同樣、鳥が好む緑色は避け、灰色で塗ってもらった。